「改正高年法(70歳法)」
大手企業26社のヒアリング調査から見えた、キャリア自律対策と事例

 昨年11月に「日本の人事部」主催の「HRカンファレンス2021年-秋」において、定年後研究所の所長 池口武志氏と前所長 得丸英司氏が「70歳法」大手企業26社のヒアリング調査から見えた、キャリア自律対策と事例」をテーマに講演を行い、好評をいただきました。

本号では、講演の内容と、アンケート結果の一部をお伝えしたいと思います。

 

「改正高年法(70歳法)」施行後の各社の取組み

 第一部では、中高年社員をめぐる環境が、急速に変化していることをヒアリング調査の結果を交えながら紹介しました。
つづいて、「就業年齢(期間)の長期化に向けた事例」「評価スキーム・処遇制度の見直し事例」「活躍機会の創出事例」に加え、昨今重要視されている「キャリア開発面でのサポート事例」が報告されました。

企業へのヒアリング調査とは別に、60代以降も活躍を続ける23人のシニア社員の「転機」「キャリア」「やりがい」「会社や社会への要望」と、そこから見える中高年社員が取り組むべき「Will・Can・Must」の再整理についても語っていただきました。

最後に、「経験値」「人脈」「コミュニケーション力」「心理的資本」を活かして貢献する「リエゾン(繋ぐ)シニア」という価値が提言され第一部を締めくくりました。


【提言】  「リエゾンシニア」 の育成と開発

「日本生命保険」様の取組みを紹介

 第二部では、自走コーディネーター(前定年後研究所所長)得丸英司氏が登壇され、
日本生命保険様が取り組んでいる「主体性」を重視したキャリア自律支援について講演を行いました。

日本生命保険様は、リタイヤ後の人生も視野に入れたキャリア開発を目指して、社員がじっくりと自身と向き合う機会の提供を大切にしていること。
機会の提供手段として、集合研修とeラーニングを組み合わせて導入していることが紹介されました。

集合研修とeラーニングを組み合わせたキャリア研修では7割程度の受講者が「キャリア自律」について考えるようになり、一定の効果があがっていることが示されました。


「キャリア羅針盤®」を活用した研修事例(「日本生命保険」様のケース)

「改正高年法(70歳法)」施行後の取組み状況に関するアンケート

 講演後に、ご参加いただいた方へのアンケート調査を実施しました。
アンケートにご回答いただいたうち7割近くが「改正高年法(70歳法)」への対応について、「具体案を検討中」または「他社動向を注視」と回答しており、引き続き多くの企業が、精力的に事例研究を進めていることがわかりました。

一方で、「既に実施中」の割合は増加しており、「就業期間の延長」に対する施策が着実に進められている現状が浮かび上がってきました。


改正高年齢者雇用安定法への対応

アンケートの結果で、やや目立ったのが、施策実行に関してハードルが高い印象のある「定年廃止」に舵を切った企業の増加です。

2021年春のアンケート調査では71社中わずか1社(1.4%)であったものが、今回の同様の調査では26社中3社(11.5%)となりました。(次図版参照)
「定年延長」や「再雇用」が横ばいのなか、思い切った対応が進みつつあることを表すものと考えることができるかもしれません。

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改正高年齢者雇用安定法への具体策

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