ミドルシニアの羅針盤レター 号外編#2
  ミドルシニアの羅針盤レター 号外編#2


HRカンファレンス「中高年女性社員の活躍」に関する講演内容について

 5月16日、日本の人事部主催の「HRカンファレンス」で、特別講演として「中高年女性社員の活躍に向けた現状課題と解決策の考察 ~あいおいニッセイ同和損保*1の取り組み事例とともに~」で登壇し、多くの大手企業の人事担当者、ダイバーシティ推進担当者の方々にご視聴をいただきました。

 日本の人事部・事務局から、「募集早々に満員締め切り」になったと連絡を受けたことで、このテーマの関心の高さがうかがえました。そこで、この場をお借りして、「講演概要」をお伝えいたします。詳しい資料をご希望の方は、末尾の請求方法をご参照いただき、ご請求をお願いいたします。

定年後研究所とニッセイ基礎研究所との共同調査研究
 先ず、第1部では、定年後研究所*2所長の池口から「定年後研究所とニッセイ基礎研究所との共同調査研究」として、(1)中高年女性正社員のキャリアや管理職に関する意識調査(2023年10月実施のアンケート調査:量的調査)と(2)ダイバーシティ・中高年社員活躍に関する大企業の取り組みへの調査(2023年9~10月実施のインタビュー調査:質的調査)をご報告しました。

第1部(1)中高年女性正社員のキャリアや管理職に関する意識調査
 調査では45~69歳の女性正社員を対象に、一般職と総合職の対比の中で、これまでのローテーション経験や社内研修受講の経験に加え、管理職志向や、今後の仕事への姿勢、学び直しの意向、定年や介護に関する意識などを幅広く調査しました。特筆すべきは、これまでの社内経験が一般職と総合職とでは大きく異なる中で、50代後半の一般職の2割程度は「管理職志向」を持っていること、6割弱が「学び直し」に関心を持っていることです。また、少数ながら管理職に就かれた層が、管理職経験を極めて前向きにとらえていることや、一方で管理職経験に関する課題意識も多岐にわたって持っていることも明らかになりました。

第1部(2)ダイバーシティ・中高年社員活躍に関する大企業の取り組みへの調査
 調査では「コース別人事」が徐々に消滅しつつあること、成長戦略やガバナンス強化を本質的な目的とするダイバーシティ化が推進されていること、性や年齢にとらわれない「人物本位」の登用が進められていること、更に「働き方改革」の中でも男性育休取得に注力されていることなどが明らかになりました。また、中高年社員活性化の側面では、定年や役職定年の見直しが進捗しつつあること、社内外での公募拡充など配置ポストが新設されつつあること、キャリア研修の中身や対象年齢、実施方式が見直されつつあること、更には副業もセカンドキャリア開発目的で促進されつつあることが明らかになりました。

第2部 あいおいニッセイ同和損保の取り組み事例
 続いて第2部では、あいおいニッセイ同和損保の取り組み事例を、同社でダイバーシティ推進を担ってこられた宮崎智恵様からご紹介をいただきました。大きく「中高年社員の活躍に向けた取り組み」と「女性社員の活躍に向けた取り組み」を、制度面・運営面に分けて詳しくご紹介をいただきました。「中高年社員の活躍に向けた取り組み」では、「65歳以降も含めて年齢に関わらず活躍できる機会の提供」や「60歳以降のロールモデル社員と若手・中堅社員との交流会」に注力されていることが特徴的でした。

 また、「女性社員の活躍に向けた取り組み」では、役職段階ごとにきめ細かくマネージャートレーニング制度を運営されていること、働きやすい職場風土づくりに向けて「部支店ごとのダイバーシティ推進会議の開催」や「異動ローテーションの機会が再雇用社員にも幅広く提供されている」ことが印象的でした。

 会場からのご質問も、「男性育休の意義や目的」を経営陣に如何に伝えていくか、「年齢で一律的に給与ダウンが生じる人事制度への向き合い方」など本質的なものをいただき、人事担当者様の真摯なお悩みに触れることができました。

定年後研究所では、これからも「中高年社員の活性化、持続的な活躍」に関する質の高い調査研究の提供に務めて参ります。読者の皆様からも、ぜひ「調査研究の視点」などご希望ご要望をお聞かせいただければ幸いです。

当HRカンファレンスで紹介しました「スライド資料」や「共同調査研究報告書」をご覧になりたい方は、定年後研究所サイトの「問い合わせ」よりご連絡ください。

*1 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
*2 一般社団法人定年後研究所


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