企業と従業員の意識調査「65歳以降の働き方」

 昨年末、読者の皆様にご協力いただいた「65歳以降の働き方」に関するアンケートの結果がまとまりました。
 このアンケートは、「65歳以降の働き方」に関して、「中高年社員としての希望」「企業としての考え」、両者のギャップを知る目的で行ったものです。

 本号では、アンケートの結果から見えてきたギャップの中でも、象徴的と思われる部分を抜粋して紹介いたします。
 今般、アンケートにご協力いただいた方には、後日、アンケートの詳細を送付させていただきます。



1.調査にご協力いただいた方々

  「人事・人材開発」に携わっておられる方と「総務・管理部門」の方からの回答が約56%を占めましたが、それ以外の部署でご活躍中の方からも広く回答をいただくことができました。


回答者の所属部署

 また、ご回答いただいた方の60%以上が課長職以上の役職者で、企業の意思決定に関わる方々からの意見として有意であったと考えられます。


回答者の役職

2.65歳以降の就労について
「被用者」としての意見では、半数以上の方が65歳以降も積極的に働きたいと考えていることに対して、「雇用者」としての意見では、条件付きの雇用や雇用以外の就業支援の検討が必要と考えていることがわかりました。


個人として65歳以降もはたらきたいですか?


65歳以降の雇用・就業支援について


3.「いつまで働きたいか」「いつまで会社で働いてほしいか」
 65歳以降、「いつまで会社で働きたいか」と「いつまで会社で働いてほしいか」という設問では興味深い結果を得ることができました。
 労働人口が減少する中、多くの会社が中高年社員の労働力に期待をかけている一方で、「被用者(個人)」として望む終点と「雇用者(会社)」が望む終点には大きな隔たりがありました。
 被用者としては「働く意思」に、会社は「仕事のための能力」に重点を置いて65歳以降の雇用を考えていることがアンケートから見て取れます。
 会社はシニア社員に求める「能力」とは何かを明示し能力獲得や発揮の機会の確保を、中高年社員は、会社が求める人材としてのパフォーマンスを発揮するために、
自律的なキャリア形成を心がけることが重要であると思われます。


いつまで会社で働きたいと考えてますか?


65歳以降いつまで会社で働いてもらいたいですか?

4.その他…副業について
 個人の意見では70%以上の方が副業に興味をお持ちで、既に副業を持っているとお答えになった方も約8%いました。
 一方、現段階で副業を認めている企業は37%程度ですが、約30%の企業で従業員の副業を検討中であることから今後は、副業を認める企業が増加するかもしれません。


(個人)副業について


従業員の副業について

 「星和HRインフォメーション」では今後もアンケートを実施し、読者の皆様のお役に立つ情報提供を行ってまいります。

◎ 星和ビジネスリンクは、現役世代が定年後の人生を豊かに過ごすための調査研究を行う機関として、「一般社団法人 定年後研究所」を設立しました。
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