今回の報告書は、定量分析やアンケート調査ではなく、企業人事担当者に加え、現役シニア社員のキャリア意識や就業動機等、生の声を掲載したもので、企業内で多くの60代社員と向き合う未踏の時代に向け、企業や社会として必要な支援方策を探る内容としております。
本号「定年後研究所News Letter Vol.5」では、上記報告書から、多様なキャリアを歩んでこられた現在活躍中のシニア社員の共通点(報告書本文P41,45)について、抜粋して紹介いたします。
50~60代に訪れたキャリア上の転機を乗り越えたシニア社員の共通点は?
インタビュー調査では、「50代シンドローム(定年後研究所が独自に定義した、役職定年や出向、配置転換等の転機により生じる、あきらめの気持ちや喪失感等)」を乗り越え、60歳以降もいきいきと仕事に向き合っておられる方々に、「50~60代の転機」「現在の仕事のモチベーション」「キャリアを繋ぐもの」「会社や社会に求める支援」について伺った結果、以下の特徴が浮き彫りになりました。
シニア向けのキャリア研修や、キャリア面談等を通じた個々の状況に応じた企業サポートとともに、行動変容には、伴走者や応援してくれる人等からの支援も重要であり、この点は、今後の企業におけるキャリア支援・フォロー面で考慮に値するのではないでしょうか。
60代後半以降において活躍を続けるシニア社員の共通点は?
4月施行の「改正法」は、企業に70歳までの就業機会の確保を求めており、多くの企業にとって未踏ゾーンである65歳以降の雇用や就業機会の提供が必要となります。
そこで、上記に加え、60歳後半以降もいきいきと仕事に向き合っておられるシニア社員にご協力いただき、その中でお聴きできた共通点を挙げさせていただきます。
今後、企業が「中高年社員の活性化対策」を検討する上では、土台である「人事制度」の見直しのみならず、上記のような働く当事者側のモチベーションや意識にも着目した総合的な取組みを進める
ことが、シニア社員活性化の成否を握っているのではないでしょうか。
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